書籍「ビッグデータ・ベースボール」に学ぶ ⑤目に見えない価値を生かすビッグデータの未来

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書籍「ビッグデータ・ベースボール」では、野球に関するビッグデータに基づいた数学的な確率論を追及しそれをいかに戦術に活用していったかをつづっています。

本の最後に、現時点では測定できていないビッグデータの新たな試みや可能性について書かれています。

それは主に捕手ラッセル・マーティンに関して多く取り上げられた目に見えない価値についてです。

今回は本の中で語られたマーティンの数々のエピソードを通して、この目に見えない価値について説明していきたいと思います。

マーティンの野球への情熱

捕手ラッセル・マーティンはプロ入りした時は内野手で、チーム事情などによりキャッチャーにコンバートしました。

マーティンについてチームの同僚である投手ジェフ・ロックは練習中のこんなエピソードを話しています。

キャンプ中のブルペンでマーティンを相手に投球練習をしていたロックは、狙ったような形でボールを捕球できず、ミットからこぼしてしまい自分自身にたいして毒づいているマーティンの姿を見て驚きました。

2人と投手コーチ以外の他には観客などいなく周囲には金網と風除けのフェンスがあるだけでした。ロックは「誰も見ていなかったのに、そんなことは頭にない。彼は自分自身と競争していたんだ」と話しています。

またマーティンは「ブルペン捕手を務めている時は、ただボールを捕っているだけではない。常にボールを捕る技術を磨こうとしている」「今ではそのことをいちいち考える必要もない。自然とそうやっている。全員そうあるべきだと思う」と語るようにピッチフレーミングの技術で秀でるためには、そうなりたいという気持ちと情熱を持っていなければならいと信じています。

雰囲気作りや人間関係の構築

パイレーツでマーティンはクラブハウスのステレオ係を務め、自分のiphoneを接続してはプレイリストをスクロールする姿がしばしば見かけられました。

マーティンは音楽だけでなく自身の態度やコミュニケーションにも気を配り、クラブハウス内の雰囲気を左右する役割をはたします。

毎日の練習ではマーティンが常に模範となり、ここ数年のパイレーツではマーティンほど練習熱心な選手はいなく、試合がある日は試合開始の5時間前に誰よりも早く球場入りしていました。

またマーティンはゲームプランの策定に重要な役割を果たしていて、対戦相手の打者のデータや心理的特徴、その日の先発投手との相性を検証します。

さらに、分析チームの作成したスカウティングレポートを読み込んだり、ライバルのキャッチャーを研究するためにビデオを好んで見たりと準備に余念がありません。

その他にも主審との良好関係を築こうと試みており、イニングや投球の合間に世間話をしたりして主審の判定を良い方向に導いていきました。

このようなコミュニケーションは主審相手ばかりでなく、投手達との関係を書籍「ビッグデータ・ベースボール」に学ぶ  ②人間関係を疎かにしては何も始まりませんで書いたように非常に大切にしています。

まとめ

このようにマーティンは、自身の能力を発揮しすべての投手をうまく生かしながら、野球に対する情熱や練習熱心な態度を示していきました。さらにはクラブハウス内でかける音楽を決める方法にも気を配りチームの結束に貢献します。

人の心理面や人同士の相性、集団での雰囲気などの目に見えない要素は、従来の戦術に生かせるビッグデータのように現時点では測定不可能なものです。

捕手ラッセル・マーティンに見るチームメイト達と交流する様子、リーダーシップ、野球に取り組む姿勢はソフトサイエンスというデータ化しにくい部分にあたります。

ビッグデータの新たな試みはこのソフトサイエンスの追及によってこれを数値化し、ビッグデータとして用いる新たなる可能性を示唆しているのではないでしょうか。

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